[前回記事]https://twilight-and-morning-star.echo.jp/tegalog.cgi?postid=16 ふまえて織田魔導こと織田健司によるシェゾ・ウィグィィというキャラクターの変化について考えます。
とはいえ私は真魔導は一応全巻抑えはしたのですがむかーーし途切れ途切れに読んだ記憶のみだし設定の断片や概要をぼくらのはてな堂で知るのみなので今後小説読んでいったら解釈かわる可能性はあります。
じゃあなんでそんな状態で書くのかっていうとこれは私がいまの考えを私で把握するための私のテキストだからです。
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[Z:長命の存在に至る経緯の妄想]
さて(これも伝聞ですが)シェゾ・ウィグィィについて、闇の魔導師を継いで長命になった、というのは実はゲームでは名言されておらず「継承して180年経過している」みたいな話が真魔導の年表に記載されている、とのことです。
先日情報共有いただきました、織田氏本人が近年に行ったゲーム実況では「350年くらい」ともおっしゃっていたようで、「ほほーーーー……」というとっかかりのようなものを覚えたので記録。
真魔導といえば[B:でっけー年表]です。数百年単位だったり数万年だったり世界のループだったり。これも30年ほどまえにはだいぶ流行ってたタイプの「日本の」ファンタジーです。
当時はグループSNE全盛期で、ロードス島戦記とかクリスタニアとかスレイヤーズとかそういうのがぶいぶいあれしてた時期。(私は魔導師オーフェン派)
で、この頃のファンタジーは神道的、あるいはギリシャ神話的な「神々がけっこう当事者になって世界の成り立ちや行末にかかわるし主人公のパーティーメンバーに女神の転生体がいる」みたいなのもありふれた(ありふれた、っていっちゃあれですが)傾向でした。RPGでも神が関わった世界の危機を少年少女がなんとかする系でした。
おはなしを作る、と考えた際には、まず大陸の地図を描き、世界の年表、創世神、邪神、豊穣神やら鍛治神やら精霊やらをひととおりセットすることから始まっていた時代。(わたしもノートにそういうのかいてた)
もうすこし年代がくだるとシュタインズ・ゲートで「世界線」という概念が普及されたり、さらに近年になるとマルチバースの概念がオタク的には一般的になったりで、壮大さを遠い過去と遥かな未来ではなく無数の並行で示すようになってきます。前後から横並びへ。
んで、真魔導はこのころのトレンドをモロに喰らって作られたものであったと私は考えています。壮大な年表に自キャラを当事者として組み込む形。で、さらにいうと織田氏ってのはこの「神話を含む壮大な時代、重ねた時間」にロマンというか萌えというかを見出す人だったんではないかなーーと思います。少なくとも当時は。
でもってシェゾ・ウィグィィという人物は「銀色の美形」「不本意ながら闇の魔導師を継承した少年」以外の設定らしい設定を持ち合わせないキャラクターだったわけで、それゆえに彼に関わる書き手たちは「ぼくのわたしの「魅力的だと思う設定」を付け加える」をしてきたわけですが、そんな彼が織田氏に委ねられた結果「長命の存在」になるのは必然だったともいえましょう。
真魔導で180年といってたのに近年で350歳と言ってるのも納得で、なぜなら30年前なら180歳っていうのは人間離れした寿命だったけれど(当時のエルフとかだいたいそのくらいだった)2020年代では180歳ってわりと人間の範疇(フィクションにおいては)だから、もっと人外み持たせるには今なら300、いや350超えくらいかなみたいな感覚で言ったんだと思う。
ここからさらに私の妄想加速した話です、間にうけないで聞いてね。
[Z:織田魔導では、シェゾをどういう存在にしたかったのか]
前回記事でも言いましたが、男性ライターってのは「美青年」キャラを扱う際、へんな力が入りがちです。近年はそうでもないのかもしれないんですが。
で、男性が美青年キャラを動かす際は「ライバル」「憧れ」「メアリー・スー」の三種にざっくり大別できるわけですけども、織田氏にとってのメアリー・スーはラグナスであり、シェゾは「ライバル」「憧れ」をミックスしたような存在だったのではないかなーと考えてます。
この場合、なんのライバルかというとアルルではなくメアリー・スーたるラグナスのライバルなわけですが……
鵺野鳴介に対する玉藻のような存在にしたかったのではとか思ってたり……
でもって「憧れ」の要素として長命要素ぶっこんだのはほぼ確信、あとねー今は厨二病とかなんとかいうけどむかしは「闇」ってかっこよかったんよマジで。そういうイタい言動っていうのがそれこそシュタインズ・ゲートではっきり広く知られるようになるまではフィクションで「闇」ってマジでかっこよかったんよ。
というところではい、織田シェゾに影響を与えた存在として私は「幽遊白書」を挙げます。
すげえ雑にざっくりいうと「妖狐蔵馬の容姿を持つ飛影」、これが織田シェゾのアーキタイプというかイデアではと考えています。
真魔導物語は初版1998年、幽遊白書の連載は1990年から1994年で……えっ4年しか連載してないの!?!?
幽遊白書の連載期間に衝撃を受けつつ、ええ、えー、うん、話を戻すと、ヘテロ男性でもたまに「この書き手、このイケメンのこと大好きで書いてんなあ」と思うことがあって、蔵馬ってなんかそういう、男が入れ込む男キャラみたいなとこあるんですよ。あと渚カヲルとかも。意外にも。女性が気に入った女の子キャラばっかり延々と描くあのかんじが、なぜか蔵馬とかカヲルくんとかだと男性に発生する。何度か見たことあるそういうやつ。
銀色ででっかくて繊細な美貌で雑な女装も似合ってしまう長命で実力のある闇の魔導師。そら作中で坐禅と瞑想もさせますわな!(ちょっとだけ真魔導読み始めてる) 好みのタイプの男には自分がかっこいいと思ってることを本筋に関係なくてもやらせて描写したいですわな!
織田シェ観についてはもちろん読破後にもう一度考えをまとめようと思ってます。2020に米光氏との対談もされてるようですし。
ひとまず今はこんなところで。
次はセガシェゾについての記事です。