所用で外出した先のディスクユニオンにて500円で発見、ひとまず確保。
なんのCDだかまったくわからんかったのですがとりあえず。
裏表紙(という呼び名でいいのか)に、「なんだろうこれ」という気持ち。
arrangeとdrama。drama!?
ブックレットも面白いですね。表紙、「当時」の流行りの、CGです!! てかんじですね。ギャルが頭にハイビスカスつけてた時代?
田中勝己さん、お噂はかねがね……というかリアタイで「灼熱のファイアーダンス」のCM見たことがある気がする。
全4Pのブックレットのうち2枚がコンパイルの社員旅行の写真というなんかすごい構成。
ドラマパート
疑惑の「drama」については、ここだけ先に動画で聴いてました。
ニコニコ動画にdrama部分だけつないだ動画があって、教えてもらってそっちで聴いてた。
でもこれ、リミックス曲の箸休め的に聴くのとまとめて聴くのだとだいぶ印象変わりますね。
でもってタイトル。ドラマのタイトルだけ抜粋するとこう。
・朝の実況中継生ワイド
・お茶の間爆笑寄席
・魔導サスペンス劇場
・噂のナイトスペシャル
テレビ番組の構成ですね、朝から夜までの。
本作は94年リリースです。
94年というとまだまだ「テレビ」が娯楽の中心で王様だった時代で、クリエイター的な人もそうでない人もみんなテレビギョーカイ的なものに憧れていた時代だったように思えます。本作のドラマCDにも「さばさばしてアウトロー気味なギョーカイ人」への憧れというか模倣のような言動が散見されるというか。
過去の作品を味わうには当時の時代性から……ということで、このノリはあれか? と思って検索したところやはりというか「とんねるずのみなさんのおかげです」放映期間(1988~1997)、「ダウンタウンのごっつええ感じ」(1991~1997)がノってた時期ど真ん中です。
とんねるずはお笑いに身内ネタ(スタッフの役職と名前を連呼する)や楽屋ネタを持ち込み、それらをオンエアの尺に載せることで、視聴者もテレビの裏側を知ってる、スタッフの身内のような感覚を持たせる、という共犯的なおもしろさをテレビにもたらしたとされています。のちにこの「身内っぽさを開示することである種の共犯者めいた結束を受け手に持たせて離れがたくさせる」は地下アイドルとかホストとかVtuberとかも使うようになりますね。
というかこの頃はゲーム製作者も、なんなら当時のゲームの売れ行きを左右していたファミ通のライターやレビュアーもそういうかんじのペンネームと振る舞いをしてた気がしますね。
身内っぽい共犯者という目配せとして「中の人ネタ」が多かったのもこの頃の特徴のような気がする。三石琴乃、いろんな作品でセラムンパロやってたな。
レビューなど見てみると脚本からのアドリブが激しかったようで、なんというか破天荒さ、ばんからっぷりが「かっこよさ」だった時代の作品だな〜〜と思ったりします。とんねるずとダウンタウンが若者の価値観の革命だった時代。
本作はコンパイルのロゴはあるけれどNECアベニューのPCE版が元のキャスティングだそうで、なるほど当時のPCエンジンというのは「スーパーファミコンにできない大容量でリッチで声優がしゃべりまくる」を売りにしていた印象があります。そもそもファミコン系ではまともにしゃべらせるような容量はなく、パソコンですら「ぺらぺらしゃべるふしぎなゲームです」というのが販促ソングに入るレベル。
なので声優キャスティングしたのはテレビシリーズのアニメが劇場版になったときのような「リッチさ」「豪華版の提供」だったのでしょう。
三石アルルはこれはこれで、井上シェゾもこれはこれで、矢尾サタンと冬馬ルルーはめっちゃ合うな〜〜ってかんじですねー。
三石アルルと井上シェゾはだいぶイメージ違うのでマルチバースのなかのだいぶぶれがでかい個体のシェアル感ある。これはこれで。
ところでドラマ一本目が寝起きどっきりパロってこと今の子わからんだろうな。
音楽パート
普通にだいぶ好きですね!
うっすら知ってるフレーズが聞こえてくるのが良い。あとやっぱり全体的に「なつかしみ」がある。
音楽にはあんまり詳しくないんですけど、近年のミックスではないんだろうなというかんじ、ある。
というか私はスマホあんまり触らないようにmp3プレイヤーに環境音やイージーリスニングなど入れて持ち歩いてるんですが、これそういう流し系の音源にちょうどいいかもしれない。適度に知ってて歌詞に繋がらなくて魂が馴染む時代性。
その後はてなどうさんで本作のレビューとそれにまつわる管理人さんのあれそれを読み「ああ……」となったりしました。
後年にいろいろ聴く社長のエピソードからすると、なんかそういうのありそうだなーというか。
へんな義理と情で人が集まったりうまくまわったりすることもあるけど、そのせいでよくないことも起きるみたいな……
社長のキャラが濃い会社ではそういうこと、まあある。社員が「なんであいつがあんなに気に入られてんだ」って思ってしまうような立ち位置になんでか居座る社員がいること、まあ、ある。宮廷の道化みたいなポジションの人間が居座ること、まあ、ある。
田中さんて営業として入社したけど趣味でDTMもやってたから音楽担当したってわけでなくどうもミュージシャンが営業の肩書きで入ってきたって流れのほうが正しいんですかね……? 実際音楽も歌も良いとは思うのですけども。
94年でゲーム音楽……というとアレの時代でもあるのでは、と検索するとやはりこちらもビンゴです。
「コナミ矩形波倶楽部」。活動時期は1987から2003年。そして葉山宏治。
当時の勢いは相当なものだったそうなので(あんまり物心ついてなかったんですが)、けっこうライバル視して「田中勝己」を前に出そうとしてたんじゃないかなあって気がする。わからんけど。
いろいろ「時代」や「その後」に想いを馳せるCDでしたが(とくに序文のライナーノーツがバブル前夜すぎる)、音源普通に好きなのでいっぱい聴きます。
あとこれいろんなキャラ絵のってるのにアルルだけ不在なのなんか意味あるのかないのか気になる。